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神奈川県川崎市に、フェンス越しにいろいろな鉄道会社の電車の”顔”がずらりと並ぶ場所があります。東急電鉄の車両基地「元住吉検車区(もとすみよしけんしゃく)」です。入場料も入場券もいらず、道路沿いの歩道から眺められます。この日は東急のほかに東武・西武・横浜高速鉄道の車両が並び、駅では東京メトロの電車も見られました。2026年5月に訪ねたときの記録として、実際に歩いた順に、行き方と見えた車両を写真で紹介します。
🚉 まずは結論(30秒まとめ)
「検車区」とは、電車の点検や整備をしたり、走り終えた電車を止めておいたりする車両基地のことです。元住吉検車区は東急東横線・目黒線の車両基地で、外周のフェンス沿いが見学スポットになっています。
- 場所:東急東横線・目黒線の元住吉駅から徒歩約10〜15分(川崎市中原区木月3-39付近)(※1)
- 料金:無料。県道14号(尻手黒川道路)沿いの歩道から見学します(※1)
- 見えるもの:東急に加えて、東武・西武・横浜高速鉄道など、乗り入れ各社の車両の”顔”
- 見え方:金網のフェンス越し。腰から下がコンクリートの部分もありますが、車両の前面はよく見えました
- 道:歩道は舗装されていて平ら。ベビーカーでも歩けます(交通量の多い道沿いです)
- 運がよければ:10両編成に1本だけの「新幹線デザインラッピングトレイン」に会えることも(※8)
- 駅も楽しい:改札を出てすぐの「屋上庭園」から線路を見下ろせます(※1)
- こんな方に:電車好きのお子さんと一緒に/いろいろな会社の車両を一度に見たい大人の方/車両の写真を撮りたい方
🚉 スタートは元住吉駅。改札を出てすぐの「屋上庭園」から
元住吉駅は高架の駅です。じつは改札を出た瞬間から子鉄スポットが始まっています。改札を出てすぐの自由通路にある屋上庭園には、線路を見渡せる大きな窓とウッドデッキがあり、目の前を電車が走り抜けていきます(※1)。

元住吉駅は1926年に開業した駅で、ホームがあるのは東横線の2線と目黒線の2線を合わせた4線。この4線を、東急電鉄を含む合計8つの鉄道会社の電車が行き交います(※1)。「直通運転」といって、東急の線路にほかの会社の電車が乗り入れてくるからです。
この日、屋上庭園から見下ろせたのは東京メトロ10000系(車番10103)。オレンジ色の帯が目印の、有楽町線・副都心線を走る地下鉄の電車です。前面の表示は「特急 森林公園」——森林公園は東武東上線の駅ですから、地下鉄の電車が東急を通って埼玉県まで走っていくということ。到着してわずか数分で、元住吉が”各社の電車が集まる場所”だと分かります(※7)。

🚶 オズ通り商店街を抜けて、尻手黒川道路の歩道へ
駅を出たら、車両基地に向かって歩きます。駅の東口を出てすぐ始まるのがモトスミ・オズ通り商店街。シンボルマークは「オズの魔法使い」で、公式キャラクターは「おずっちょ」です(※2)。

レトロな街灯をよく見ると、丸い看板にドロシーとかかし・ライオン・ブリキの木こり。商店街の入口のアーチや街灯のあちこちに『オズの魔法使い』の姿があしらわれています(※2)。子どもと「あの4人はだれだろう?」と話しながら歩くと、移動時間そのものが楽しくなります。

商店街を抜けて住宅街をしばらく進むと、大きな通り——尻手黒川道路(神奈川県道14号)に出ます。右手に高い金網のフェンスが現れたら、そこがもう検車区の外周です。歩道は広く平らで、フェンス沿いをゆっくり歩きながら見学できます(※1)。

📍地図の見方:元住吉駅 東口から見学スポット(赤いピン)までの徒歩ルート(青い点線・約9分/650m)です。東口を出て線路沿いの道を南へまっすぐ進み、大きな車道(尻手黒川道路=神奈川県道14号)に出たら右へ。高架をくぐった先の歩道が見学スポットです。フェンスの中は関係者以外立ち入り禁止です。
📍 Googleマップアプリで元住吉駅 東口からの徒歩ルートを開く
🚃 フェンス越しに「電車の顔」がずらり
フェンス沿いを歩くと、線路がずらりと並び、その先端に電車の前面が横一列に顔をそろえています。線路の先端には枠が一つずつ置かれ、それぞれに番線の数字が書かれています。駅のホームからは絶対に見られない角度です。

東急:この日いちばんの“当たり”は、新幹線デザインのラッピング
白い車体に、窓の下をまっすぐ走る青いライン。一瞬「新幹線?」と思いました。これは東急5050系4000番台の新幹線デザインラッピングトレインです。東急電鉄がJR東海の協力で走らせているラッピング車両の第2弾で、新幹線ホワイトを基調に、側面の窓下へ新幹線ブルーのラインをあしらったもの。2024年5月14日から運転されています(※8)。

対象は10両編成のうちのたった1本。しかも東横線・東急新横浜線だけでなく、相鉄線・みなとみらい線・東京メトロ副都心線・西武池袋線・東武東上線と広い範囲を走り回るので、狙って会うのはなかなか難しい1本です(※8)。それが検車区でじっと休んでいるところに出会えました。先頭に回ると、前面には「■4005」の車号。四角がピンク色なのは東横線の仲間である目印です(※7)。
東急:赤い帯のなかに、1本だけ緑の「青ガエル」
まず目に飛び込んでくるのが、緑一色の電車です。これは東急5000系の5122編成(先頭の車番は5822)。東横線の開通90周年に合わせて2017年に登場した、初代5000系「青ガエル」の色を細部まで再現したラッピング編成です(※3・※7)。銀色の車体が当たり前の場所にいるので、遠くからでもすぐ分かります。

となりに停まっていたのは、ふだん東横線でよく見る赤い帯の東急5050系(車番5861)。並べてみると、緑がどれだけ特別かがよく分かります。お子さんと一緒なら、まずこの緑を探すところから始めるのが楽しいと思います。

黒い顔に水色の帯をまとった電車もいました。東急3020系です。目黒線の電車で、日吉から先の東急新横浜線(日吉〜新横浜の3駅だけの短い路線です)に入り、新横浜まで足をのばします。

【見分け方のコツ】東急の電車は、色を2か所見るだけでどこの線の仲間か分かります。ひとつめは帯の色。赤なら東横線、水色なら目黒線です。ふたつめは前面の「8 CARS」(8両編成の意味)のステッカーで、東急公式サイトによると青が目黒線用、ピンクが東横線用(※1)。写真を見返すと、緑の5122編成もみなとみらい線のY500系もピンク、黒い顔の3020系は青でした。子どもとのクイズにちょうどいいです。
東武:赤帯の9000系と、オレンジの50070型
銀色の車体に太い赤帯——これが東武9000系(車番9102)。東武東上線から副都心線を通って東横線までやってくる電車です。四角い顔と大きな赤帯は、いまとなっては貴重な”昭和生まれ”の面構えをしています。

じつはこの9000系、2026年から導入される新型の90000系に置き換えられていくと報じられています(※4)。フェンス越しに見られる「いまの顔ぶれ」は、数年後には変わっているかもしれません。今のうちに写真を撮っておく価値がある1本です。
そのとなりは、鮮やかなオレンジの東武50070型(車番51074)。同じ東武でも、こちらはすっきりした現代的な顔つきです。赤帯の9000系と並ぶと、世代の違いが一目で分かります。

西武:青から緑へ、グラデーションの40000系
青から緑へ、なめらかに色が変わっていくのが西武40000系。西武池袋線から副都心線を経由して東横線に乗り入れてくる電車です。この日は車番40059の編成が停まっていて、運転席の窓の上に「LONG」の表示が出ていました。

この「LONG」は、座席がロングシート(窓を背にして横並びに座る、ふつうの通勤電車の座席)であることを示す表示です。西武40000系には、座席の向きを変えられて有料座席指定列車「S-TRAIN」にも使われるタイプ(表示は水色の「LONG/CROSS」)と、ロングシート専用のタイプ(表示はオレンジ色の「LONG」)があります(※5)。同じ40000系でも、窓の上の表示を見れば見分けられるというわけです。
もう1本、車番40003の40000系も並んでいました。そのとなりの白い顔は、さきほどの新幹線デザインラッピングトレイン(車番4005)です。

横浜高速鉄道:丸い「M」マークが目印
メタリックな水色の車体で、顔の下のほうに丸い「M」マークが付いているのが横浜高速鉄道のY500系(車番Y501)。横浜のみなとみらい線を走る電車で、東横線と直通しています。側面は青から黄色へと変わるグラデーションで、並んだ車両のなかでもひときわ華やかでした。


数えてみると、この日フェンス越しに見られたのは東急・東武・西武・横浜高速鉄道の4社。駅で見た東京メトロを足せば5社です。「次はどこの会社かな?」と当てっこしながら歩けるのが、この場所のいちばんのごちそうだと思います。
💡 基地ならではの見どころと、見学のマナー
車両そのものだけでなく、基地の設備も見どころです。線路と線路のあいだには足場や階段が組まれ、黄色と黒のしま模様の柱が立っています。線路の先端には、番線の数字が書かれた枠が一つずつ置かれていました。どれも駅のホームからは見られない、働く現場の風景です。

気持ちよく見学するために、次の3点に気をつけたいところです(※1)。
- 見学は歩道から:フェンスの中は関係者以外立ち入り禁止です。敷地には入らないようにしましょう。
- 車と自転車に注意:尻手黒川道路は交通量が多く、歩道も自転車が通ります。小さなお子さんとは手をつないで歩くと安心です。
- 近隣への配慮:まわりは住宅街です。大きな声を出さない、道いっぱいに広がらない——それだけで、みんなが気持ちよく過ごせます。
なお、東急グループは小学生向けの体験イベント「とうきゅうキッズプログラム」を毎年開いていて、鉄道の仕事を体験できるコースが用意されています(小学生とその保護者がペアで参加・参加費無料・応募多数の場合は抽選)。実施される内容や場所は年によって変わりますが、フェンスの外から眺めるだけでなく”中に入れる”機会もある、ということです(※6)。
検車区で見た電車をおうちでも楽しみたいお子さんには、東急電鉄協力の写真絵本『あつまれ!とうきゅうのでんしゃ』もあります。
❓ よくある質問(FAQ)
見学にお金はかかりますか?
かかりません。神奈川県道14号(尻手黒川道路)沿いの歩道から眺めるかたちなので、入場料も入場券も不要です(※1)。ただし敷地の中は関係者以外立ち入り禁止です。フェンスの外から楽しみましょう。
どんな電車が見られますか?
私が訪ねた日は、東急5000系5122編成(緑の「青ガエル」ラッピング)・新幹線デザインラッピングトレイン(車番4005)・東急3020系のほか、東武9000系9102・東武50070型51074・西武40000系(40003/40059)・横浜高速鉄道Y500系Y501が並んでいました。元住吉駅の屋上庭園では東京メトロ10000系(車番10103)も見られます(※7)。ただし何が停まっているかはその日その時間しだいなので、同じ並びが見られるとはかぎりません。
小さな子どもやベビーカーでも大丈夫ですか?
歩道は舗装されていて平らなので、ベビーカーでも歩けます。ただし尻手黒川道路は交通量が多く、歩道は自転車も通ります。手をつないで歩くと安心です。駅の屋上庭園には屋根がないため、暑い日や雨の日は無理をせず、時間を短めに区切るのがおすすめです(※1)。
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📎 出典・参考
- ※1 東急・東急電鉄公式サイト「【東横線編】電車のプロが厳選!東急線の子鉄スポット5選」(元住吉駅の屋上庭園・4線と8社・徒歩時間・住所・尻手黒川道路・ステッカーの色・見学時の注意事項)
- ※2 モトスミ・オズ通り商店街 公式サイト「商店街について」(「シンボルマークは『オズの魔法使い』と、公式キャラクターの『おずっちょ』」と記載)/観光かながわNOW「モトスミ・オズ通り商店街」(東口すぐ・オズの魔法使いのシンボルマーク・店舗数)
- ※3 マイナビニュース「東急東横線に緑のラッピング電車『青ガエル』旧5000系の塗装を細部まで再現」(2017年9月4日)
- ※4 マイナビニュース「東武東上線に新型車両『90000系』2026年から導入、9000系を置換え」(2025年3月26日)/鉄道コム。導入時期・両数は変わる場合があります
- ※5 鉄道ファン railf.jp「西武,40000系ロングシート車を報道陣に公開」(2020年2月27日)
- ※6 東急グループ プレスリリース「いよいよ9月5日(金)から『とうきゅうキッズプログラム』募集スタート!」(2025年9月4日/小学生対象・親子で参加・参加費無料・全35コース・応募多数の場合は抽選。運転士体験や鉄道業務体験のコースあり)/鉄道ファン railf.jp「東急グループ『とうきゅうキッズプログラム』参加者を募集」。実施内容・対象・時期は年により変わります >
- ※8 鉄道コム「東急 5050系 新幹線デザインラッピングトレイン 運転」(東急電鉄がJR東海の協力で運転する第2弾。5050系4000番台10両編成1本・新幹線ホワイト基調・窓下に新幹線ブルーのライン・2024年5月14日運転開始)
- ※7 現地で撮影した実機写真より(車番・前面表示を写真で確認)
